認知症について思うこと

認知症専門の精神病院に行って感じること。

正直にいうと、自分が一番なりたく無い病気は認知症だなと思います。

 

認知症患者さんを見ていて辛いのは

「忘れてしまうこと」

 

さっきまでご家族の方が面会に来ていたのに、今日は来ていないという。

家族が来ても、あの人誰?という。

自分が忘れていることすら忘れる。

 

忘れっぽくなるのは私の年齢でもあります。

買い物に出たのに、何を買いに来たのか思い出せないとか、しょっちゅうです。

私の父や母も高齢になって、何度も同じ話を繰り返すことが多くなりました。

同じ話を同じ表情でされても、毎回「へ〜」と初耳みたいに聞く技も習得しました。

 

が、忘れっぽいのと完全に記憶から無くなってしまうのは違います。

 

日頃から「人生は思い出作りの旅」をモットーに生きている私です。

どんな困難や悲しいこと、辛いことがあっても、後で振り返ればすべて思い出になる。

楽しいかった日々、幸せだった日々の思い出が、どれだけ心を暖かくしてくれたか。

 

今、辛くても頑張れる原動力は、たくさんの思い出が私の心を支えてくれているからです。

私にとって、生きるとはそういうことです。

 

だから、記憶や思い出が無くなってしまう認知症にだけはなりたくない。

そう思ってしまいます。

 

私が認知症になるかならないかなんて、誰にもわからないけど

もし仮に認知症になって私の記憶が全部無くなってしまっても

私の家族や息子、友達が

「ちなつはこんな生き様だった」と、しっかり記憶し思い出してくれる、そんな生き方をしたい。

できれば、最後の瞬間に

「たくさんの楽しい思い出をありがとう」と言って死にたい、と強く強く思います。

 

って、別に自殺願望とかではないので心配しないでくださいね。