富山大大学院の新田淳美教授(薬物治療学)らの研究グループは先月、体内にあるたんぱく質の一種「TMEM168」が、覚醒剤依存を抑制する働きがあることを突き止めたと発表した。
治療薬開発につながる可能性があり、イギリスの学術誌に掲載された。
グループは生理機能が不明だった「TMEM168」に着目。
マウスに覚醒剤を投与する比較実験などの結果、「TMEM168」がたんぱく質「オステオポンチン」と結合することで依存が抑えられることが分かった。
覚醒剤依存に対する治療薬はなく、新田教授らは2002年から研究を開始。
覚醒剤の再犯率は約6割と高く、社会問題となっているため、新田教授は「近年、覚醒剤依存は病気の一つという見方になった。新薬開発につなげたい」と話している。【青山郁子】
https://mainichi.jp/articles/20171116/k00/00e/040/188000c